今日も、ちょっと真面目な話を。
お仕事柄、退職や労働まわりのニュースはできるだけ追いかけているのですが、最近「時代が変わってきたな」と感じるニュースが、続けて出ています。
ひとつは、来年の話です。2026年の10月から、「カスタマーハラスメント(カスハラ)対策」が、すべての会社に義務づけられます(改正労働施策総合推進法)。お客様からの理不尽な暴言やクレームから、会社が社員を守らなければいけない、と法律で決まったんですね。
正直、「やっとか」という気持ちと、「国が”我慢しなくていい”と言い出した」という感慨と、両方ありました。
「我慢して尽くせば報われる」が、通じなくなってきた
もうひとつ、気になっている動きがあります。早期退職・希望退職の募集が、急に増えているんです。
ある調査では、2025年度に早期・希望退職を募った上場企業の対象者は2万781人。前の年のおよそ2.5倍で、しかもその約8割が「黒字の会社」だったそうです。業績が悪いからではなく、元気なうちに人を入れ替えておこう、という動きですね。
カスハラで心をすり減らす人がいる一方で、真面目に尽くしてきた人が、会社が黒字でも肩を叩かれる。「我慢して働き続けていれば、いつか報われる」——その前提が、静かに崩れてきているのを感じます。
辞めたいのに辞められない、が一番しんどい
こういうお話をすると、決まって出てくるのが「でも、辞めたら生活が…」という不安です。
辞めたいのに、辞められない。この状態が、たぶん一番しんどい。看護師さんの回でも書きましたが、これは職種も年齢も関係なく、本当に多くの方が抱えています。
そして厄介なのは、その「生活の不安」の正体が、実はよくわからないまま止まっている、というケースがすごく多いことです。辞めたら実際にいくら足りないのか、何が使えるのか——そこがはっきりしないから、動けない。
知っておくだけで、その”不安”は少し軽くなる
退職のご相談を受ける仕事柄、いつも思うことの根っこは、同じです。「辞めた後に使える制度を、知らないまま損している人を、なんとか減らせないか」ということ。
退職後の給付金も、その一つです。「そんな制度があるなら、もっと早く知りたかった」という方が、本当に多い。自分から辞めると決めた場合でも、動き出す前に知っておくだけで、受け取れるものや、辞めたあとの見通しが変わってくることがあります。
カスハラで限界がくる前に。あるいは、「そろそろ潮時かな」と迷い始めたときに。「こういう選択肢がある」と知っているだけで、”生活が不安だから動けない”の不安を、少しだけ軽くできることがあります。
我慢は、美徳じゃないですよ。
自分の心と体と、生活を守る準備をしておくことは、ずるさでもわがままでもなくて、当たり前の段取りだと思うんですよね。この夏、少し立ち止まって考えている方の、ヒントになればうれしいです。